法話を聞く・読む / 今月の法話 バックナンバー(No.380)

今月の法話 バックナンバー

令和元年12月 No.380
普通の日々も私の大切な足跡

 私たちにとって「普通の日々」とはどんな日々でしょうか。「平凡な」とか「ありふれた」という意味を考えるのではないでしょうか。それは、特に変わったこともない生活と考えています。しかし、私たちの日常には、時に思いもよらないことが起こります。特に、昨今多発する自然災害。そのとき私たちは「これは普通ではない」と言い、その状況を「大切だ」とは受け止められません。

 仏教では「諸行無常」ということを教えます。それは、「あらゆるものは移り変わっていく」という意味ですが、それだけでは教えにはなりません。

 私たちは、変わったこともない平凡な生活を「普通」と思い、逆によろこびにつけて心踊らせ、悲しみにつけて心乱すようなできごとを「特別な日」「普通ではない日」と思っています。

 しかし、実は今日は昨日とは違ういのちの営みをしています。日々、思いもよらない、普通ではないいのちの営みがあります。「諸行無常」の教えの大切な意味はここにあります。それは、二度と繰り返すことのない今を生きているということです。「普通」と思う日も、「普通ではない」と思う日も、それもかけがえのない今を生きているということです。そこに、いのちの有り難さや尊さ、よろこびが生まれるのだということを教えています。

 「普通の日々も私の大切な足跡」という法語は、改めて私のものの見方を問うものであり、またどのような歩みであっても受け止めてくれる大地があることを教えてくれます。

福岡県鞍手群 眞教寺 星野 奏真

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