法話 今月の法話

今月の法話

平成30年9月 No.365
老成 をとることは衰えることではない

 「じいちゃん」と3歳の孫が私に抱きついてきます。65歳になった私はもっぱら孫のお世話です。近ごろ特に老いを感じるようになりました。いつまでも元気で若くありたいと思いますが、年齢とともに気力も体力も落ちてきます。

 お釈迦さまは、この世に生を受けた以上、逃れることができないのが「老病死」であると仰いました。若さも健康もそして命も、いつまでも保つことはできないということです。確かにそうですが、世の中には老いても元気で若々しい人もいます。

 ご門徒のYさんは95歳ですが、毎月のお寺参りには欠かさず来られますし、また毎日体操と歩くことは若い頃からずっと続けており、ラジオの高齢者番組にも何十年も原稿を出しておられ、心身ともに生き生きとしておられます。そのYさんが「人間はいつまでも学ぶ姿勢を忘れてはいけませんよ」と教えてくださいました。

 蓮如上人は「仏法は聴聞に極まる」と仰いました。浄土真宗では仏法を聞くことを昔から「お育てをいただく」と申します。仏さまの教えを聞くことは、心が育てられることです。子どもが成長することを「育ちざかり」と言いますが、年をとっても仏法を聴聞する人は、身体が衰えても、心は育ちざかりです。日々の生活の中で、「おかげさま」「勿体ない」と生かされている喜びを感じることが、老いても心が成長し続ける。それが「老成」と言えるのではないでしょうか。

福井県勝山市 西宮寺 三㟢 霊証

今月の法話について

西本願寺鹿児島別院では、本願寺派布教使による法話(仏さまのお話)を毎月発行しています。